まごまご日記 九州往還編


まごまご日記 ■ 97/05/02 ■ 大阪〜山崎〜鳥取〜関金〜三朝〜米子

5月や、ゴールデンウィークやいうのに、風邪ひいてしもてむちゃしんどい。しんどいねんけど、決めた遊びは決行せないかん。それがおいらの生きる道。
というわけで、ううう、これはオフリミットだ(^^;; 昼にはなんとかだるさもましになって、よっしゃやっぱり決行じゃ、行くと決めたら、行くんやぁぁぁ、さて用意しようかと思うてるときに卒業生のNから電話。「これから行く」 あ、あのなぁ、行くゆうたかて、おいらはこれから出発やんか、あ、あ、あ、なんて強引な奴。大学の後輩にしてしもたことやし、しゃあないかと少しだけつきあってやる。
Nの襲撃で予定を2時間ほど遅れて4時過ぎ出発。阪神高速から中国道に入って山崎Iまで一気に走る。すでに6時。R29で山を越えて鳥取で8時。ガソリン休憩で関金温泉をめざす。R9で快調に4輪のすり抜けをやってたら、マウストラップ(^^;; 一瞬どきっとするけど、セーフ。鳥取から関金までちょっとやと思うてたら、結構あったなぁ。滑り込みで関金温泉に浸る。混浴、混浴(^o^)というのはウソ。今回のツーリングの一湯めはまずまず。倉吉まで引き返して、お次は三朝温泉・橋の下露天、う〜〜ん今度こそ正真正銘の混浴。現に到着したとき、一人、う〜〜む、おばんだよ(笑) し、しかしなぁ、きょうの昼までお鼻じゅるじゅる、だらぁ〜んとろぉ〜んとはちょっと信じられない。まだ少し鼻声ながら、ツーリングに出た途端、元気になってしまうおいら。
露天でうだうだと一時間以上入ってたかなぁ。やっぱりロングツーリングとなると、こうでなきゃいかんわ。
再び走り出す、あしたの天気予報は真っ黒けの雨やし、まだ降り出せへんうちに走れるところまで走っておきたいし、と考えながらも、つい米子の手前の砂丘でダウンしかけて、脇に入ってみたけど、あまりに真っ暗すぎるし、水も何もない、おまけに温泉に浸かることばかり考えて晩めしを食うのも忘れてた。とにかく頑張って米子まで走ることにする。米子に着いたのが12時半。まだ開いていたモスバにとびこんでコーヒーをすすりながら、マックを取り出してMLに書き込み。ようやるわ。米子駅前のグレ電からアクセス。はっと気がつけばテレカも持ってくるのを忘れてるし、おまけに万コロしかなくてテレカも買えない。しかたなく10円玉4枚入れた。これだけあればメールだけならなんとかなるだろう、と、ネットスケープのメーラーからGet Mailすると、うまくつながらない。これまでグレ電からニフにアクセスしたことはあるけど、インターネットははじめてだったのでちょっと戸惑う。あ、そうか、そうか、PPPから先につないでおいて、Get Mailでいいのだ、と、そしたらうまく行った。しかし10円玉が全然落ちない、接続を切ったら4枚まるごと戻ってきた。いったいどうなっとるんや。もうけたんかなぁ。
マップで今夜の寝場所は夜見ヶ浜に決める。走ってみれば米子からすぐ。駐車場から浜に出たところに設営、雨の心配がなければシュラフだけで済ませるねんけど、もぐりこんだ瞬間に熟睡。

まごまご日記 ■ 97/05/03 ■ 夜見ヶ浜〜松江〜出雲〜温泉津〜下関〜博多

8時に目が覚めたけど起きれない。そのままもにょもにょしていると9時。予報通り雨がぽしょぽしょ降っている。だるいのでそのまま寝てたかったけど、きょう中に九州まで走らなあかん、走ると決めたからには走る、それがおいらの生きる道。
駐車場から水をくんできてコーヒーを入れて、やっと目が覚めた。
雨は小やみになったけど、風が強くなってテントがまくられる。風の中で撤収開始。砂浜でテントするとこうなったときいややなぁ。砂だらけ。
天気が悪かったら夜見ヶ浜もしゃあないよなぁ。中海の水門を見に行く。実際に走ってみて唖然とした、中海を土堤で真っ二つにぶったぎってるやない、淡水化さしてどないすんねん。あちこち休耕田だらけやのに、何のためにこんなたいそなことして田圃つくらなあかんねん。ちょっとマジに中海淡水化計画も勉強せんなあかんかなぁ。中海の大根島は牡丹の島みたいで、ひどく車が混んでた。これがかの水門。船が通るときは道路はしばし遮断される
早々に松江に向かい、朝飯も食うてへんかったので、お昼にする。ちょっとましそうな店でうな丼。しかしあれは邪道だなぁ、鰻の下に卵焼きがひいたって、鰻の味で勝負しろよ。お昼に1300円も奮発したのに大はずれ。情けない。宍道湖→鰻という図式ははまらない。
宍道湖の北岸を出雲大社までとばす。天気も回復してときおり日もさして気持ちええ。しもたなぁ、出雲に来るんだったら、腐れ鰻やなしに、出雲蕎麦やったと、しかしあとの祭り。それに蕎麦屋のチェックも忘れてたので今回はパス。先を急ぐおいらは縁結びの神様にもお参りせず、どうせお参りやなしに見物するだけやし。
日本一の大鳥居の前でしばし休憩。出雲大社は縁結びの神様なのであった
9号線に戻る。戻った途端に下関197Kの標識。げげげっまだ200近くもあるんかいなぁ(^^;; 日本海を横目にひたすら走って、温泉津温泉にどっぽ〜ん。温泉だけは別。またうだうだ1時間以上入る。温泉津の町はちょっと不思議な町並みで旧家が残ってたり、洋館が残ってたりする。その旧家にトマソン発見。温泉津温泉・千古の湯の隣にあった旅館(?) 「ゆ」と一字染め抜かれた暖簾がいきやねぇ
再びだだ走り。益田でふいと9号線に入ってしまう。コンビニの前で休憩がてらマップを眺め、をっとあかん、あかん。日本海に沿ってひた走る予定やのにと少し引き返してR199を走る。ここまで来るとぐっと交通量も減って日本海を眺めながら爆走。むちゃくちゃ気持ちがええ。これで天気が良くて海がきらきら輝いていたら言うことないのに。ずっと曇ってて寒い。雨が降ってないだけマシというもの。ガスを入れて少しするとすっかり暗くなった。ふっと見ると星が見える。疲れてきたことやし、もうすぐ下関だけど、天体観測休憩。西の空に、あれはやっぱりHB彗星なんやろか、まだ見えてるんやったら、たぶんそうやと思うけど。しばし道路脇に寝転がってタバコをすいながら星空を眺める。
下関到着、立ち止まることもせずに道標に従って関門橋を渡ってしまう。思うてた以 上に関門海峡は狭かった。あっという間に九州入り。バイクで陸路で九州に入ったの は初めてだったので、やっぱりちょっと感激。思わずメットの中で「きゅ〜〜しゅ〜 〜!!」と叫ぶ。それでもこっからがいかんよなぁ。関門渡ってから福岡まで50く らいと思うてたのが80もあって、この差の30は大きいんよなぁ。おまけに山の中 ばっかし走って寒いし、古賀SAで思わず休憩。気合いを入れなおして、博多の中心 とおぼしきところ、どんたく見物の仮設スタンドがつくってあるとこまで走ってMACKEEに電話を入れる。博多駅で待ち合わせ。初めてMACKEEに会ったけど、「変態さんいらっしゃい」のMACKEEの写真で見て想像してたより落ちついて見える、いわゆる好青年とは褒めすぎか。MACKEEのパジェロミニの後をついてMACKEEの家まで走ってほっと一息。一息ついていよいよMOTCHANのMEDIAへ出撃。ふぅ〜〜っ、なんて長い一日なんや(^^;;
あとから書いてても疲れてくる。この時点でもうすでに夜中の1時くらいやろか。 MOTCHANにも初対面。あ、誰かに似てる、いつもにこにこ顔が絶えない、なんかずっ と以前から知ってたような、MEDIAは超満員で、お姉ちゃんたちのすぐ横の席、MACKEEはさすが仕事柄か顔が広いみたいで、何人もと「ういっす」やってる。「大阪からバイク乗って来たまごさん」と紹介してくれるけど(^^;; 横のお姉ちゃん達も知ってるみたいで、それにお姉ちゃん達、だいぶ酔うてきて大騒ぎ。我ながらようやるよ。フロアに引っぱり出されて久しぶりに踊った。そしたらすぐMotchanがPを入れてくれて「大阪から走ってきたまごPに〜〜」なんぞとしゃべってる。照れくさいようなまぁほとんどボクも切れてたので騒いでただけ(笑) もうあと書くのんはやめとこ。ライダー連中がこれ見たら何ちゅうツーレポやと思うやろなぁ。MEDIA出たのは3時を回ってたやろか、Motchanが外まで見送ってくれて、彼とはあんまりしゃべることはでけへんかったけど、もう何年も前から知ってたような、あ、そだそだ、なんやパチパチ写真写してたよなぁ、あれMotchanとこのHPにアップするんかなぁ(^^;; MACKEEの家に戻るとほとんどパタンQで寝てしもた。ふぅ〜〜っ 左からMackee,Maggot,Motchanの変態Mトリオ

まごまご日記 ■ 97/05/04 ■ 福岡〜平戸〜武雄〜福岡〜山口県の道ばた

8時起きと言うてたのに起こされたのは9時ちょっと前。さすがにぼーっとする。MACKEEは9時半に出勤せなあかんというのに。結局、部屋の鍵を置いといてもろて、一人MACKEEの家に居残る。MACKEEが自転車で出て行ったあと、ゆっくりコーヒーを入れ、勝手に電話線を借りてメール落としに行く。悪いなぁ、電話代3万とか言うてたのに。それからtomoとことかにもアクセスしてやろうとマックも勝手に立ち上げてそこからアクセス。悪いなぁ、電話代(^^;; MACKEEのMacを見てると、まだ3週間で何もない。HDのアイコンも元の長方形のままで可哀想なので、うちのPアイコンを貼り付けたれとうちのHPにもアクセス。悪いなぁ、電話代。マックにお礼のファイルを書き残して来たった。
そんなこんなでMACKEEとこを出たのはもうすでに12時を回ってた。 平戸を目指して走り始める。目的は平戸でチャンポンを食べること。と思いきや、いきなり福岡市内から渋滞。すり抜け、すり抜けで走るが、断続的に渋滞が続き、唐津の手前の虹の松原なんかは松の木をよけてすり抜け。あれ刺さったら痛そうやなあ(笑) それでも福岡はいいよなぁ、市内からちょっと出ただけできれいな砂浜がようさんあって、ちょこちょこ見える玄界灘に少しだけ救いがあったなぁ。渋滞だけやったらほんまたまらんもんなあ。唐津から伊万里へは退屈きわまりない。伊万里も過ぎてやっと長崎県に突入したところでやっと休憩。こんだけ渋滞ばっかりだったら休憩する気にもならん。世の中GW。  

質問1 「牧のうどん」というのがぎょうさんあったけど、九州の人間は
     うどんが好きなのか。麺類はチャンポン、ラーメン  
質問2  佐賀から長崎への県境近くに、ばかでかい廃墟のようなのがあるが
     ありゃ何だろ。あれはかつて大津にあった幽霊ホテル以上やし、
      トマソンのようでもあり、トマソンとするとでかすぎる。

休憩してからあとは比較的快調に走れて平戸口着。そっから平戸まで平戸大橋を渡っ たけど、南風、進行方向の左側から、が強くて、思いきりあおられて、つつつっとセ ンターラインへ運ばれる。対向車線にはみだすこともできずむちゃくちゃこわかった 。風があんなにすごいとはなぁ。4時過ぎに平戸着。デジカメの電池が切れてて買うとかなと思てて忘れてた。平戸の町の電気屋に飛び込んだらアルカリ2本で320円。むちゃ高いやんけ。その電気屋で「チャンポンのうまいとこ」と聞いたらはす向かいの店を紹介する。行ってみるとただの大衆食堂。どう見てもうまそうな雰囲気が微塵も感じられない。こらあかんわと自分で捜そうと歩いてみたが「チャンポ〜〜ン!」というところが全くない。やっとチャンポン・ラーメンと書いた店に飛び込んでみたが失格。思えば平戸→チャンポンという図式が間違ってたのだ。大阪の家の近くに平戸飯店というチャンポン屋があったのが間違いの元凶なのだ。「チャンポン→長崎」という図式しかないのか。満足できないまま平戸の町を見て歩く。三浦安針の平戸かもしれないがいまいちおもしろくない。なんとかいう資料館にもせっかくだから入ってはみたがおもしろくない。観光地というのはしょせんこんなもの。毒喰らわば皿までとバイクで回ってみたが、どこもいまいち。辛うじてカトリック教会くらいなものか。観光巡りの中に組み込まれてはいるけど、現実に礼拝をしている人が2、3人いて、おいそれと観光しに来ましたとなれない威厳はたいしたものだ。ま、おっさんたちの観光には関係ないけど。 再び平戸大橋で本土へ戻る。渡りきった料金所のおばちゃんに「むっちゃこわかったで」と言うと、「こわかったぁ、風強かったの」といとも簡単に言われてしまって、こっちの人にしてみればこれくらいの風はたいしたことないのだろうか。
  マップを見ると本土最西端とある。ここまで来たからにはそれを目指さな、それにうまくいけば夕陽タイム。その期待はみごとに裏切られ西の空が曇って夕陽ともならないで、なんや一日だだ走りしただけのような。本土最西端の崎はただあっけらかんとして、宗谷岬のように観光客が押し寄せるところでもなく、少し拍子抜けだったが、しばし一人、先端に座ってタバコを吸いながらいちおう気取ってみた。ここまで来たらあとは帰るしかないんだとか、よう走るよなぁと自分にあきれてみたり。 九十九島というてもそんなに海が見渡せるわけでもなく佐世保に出る。さてこっからどないしたもんか、伊万里-唐津経由で福岡に戻るのが一番早そうだけど、どこかきょう一日の欲求不満がくすぶっている。マップを見ると、「武雄温泉、共同浴場あり」とある。温泉にでも浸かってみないとちょっとおもしろくなかったまま終わりそうで武雄-佐賀経由を選んで53号だったか、坦々と走る。 武雄温泉は予想をはるかに裏切ってマル。なんとかこれできょうの走りの元が取れたような気分になれた。風呂から上がって外に出ると、横浜のプー太郎に会って30分ほどしゃべってしまった。中標津出身だとか、
武雄温泉を出て佐賀へ、佐賀からR263の峠越えで福岡へひた走る。温泉が効いてかほこほこしてる。峠近くで天体観測休憩。1時間ちょいで福岡着。西新からMOTCHANに電話を入れてから、長浜の屋台にラーメンを食べに行く。長浜の一角にずらっと並んだ屋台は壮観。ここまで来たらどこも同じようなもんやろと、席の空いてた一軒の前にBajaを乗り付ける。早速ラーメン。どうやら焼き物にするみたいな肉やらツミレなんかが屋台のショーケースに並んでいる。はじめどないしたらええもんやらわからへんかってんけど、ごっつい旨そうで、次に来たときにはしこたま食うたろ。とりあえずラーメン、大阪なんかにある博多ラーメンとちゃうなぁ、麺がボクの好きな細麺で、しこしこ固い。あ、そうかマルタイラーメンは九州やったんや。それに450円と、とにかく安いわ。その分ちょっとライトな感じで、それがまた替え玉というシステムになるんやろ。とにかくスープをあんまり飲まんようにして麺だけすすり、替え玉を注文。「かた麺でええですか」というのに何のことやらわからず適当に頷いてみた。それより替え玉というのはどないすんねんやろというほうが興味あってんね。そしたらじきにぬっと麺を茹で上げて湯を切った、あれ何ちゅうのん、麺をすくうてばさばさ湯をきるやつ、ほら長い柄のついた平たいザル、やっぱりザル言うんかなぁ、とにかく屋台越しにそのザルが目の前につきつけられた。あわててスープを残してあったドンブリをもちあげるとそのままするっと麺を入れてくれた。ごく単純なことやねんけど、妙に感心してしもた。2玉めを食べ始めてみて「かた麺」の意味がわかった。これまたごく単純に固い麺なのだった。ほとんど芯が残るか残ってへんかという程度の茹で加減で1玉めに較べてさらに固かった。大阪なんかにある九州ラーメンなり博多ラーメンはもっとぐてぐてに茹でたぁるよな。この固さが本場というもんなんやろか。あと餃子を注文してこれも旨かった。小ぶりな餃子で1人前10個ほどあったかな。しめて950円。食い終わった頃になって店のにいちゃんが 「どこから走ってきたんですか」とか聞き始める。店の真ん前にどどっとバイクで乗り付けたのがセンセーショナルやったんやろか、ボクが食べ終わったのを見てやっと安心したという感じ(笑) せやけdなんかこの屋台の雰囲気好きやなぁ。今度来るときはMOTCHANなんかひっぱり出そ、きっとおもろいはず。
長浜から天神まではバイクですぐだったのに、きのうはMACKEEに連れてきてもろただけにMEDIAの場所がまったくわからん。やっとのことで親不孝通りを見つけてなんとなくMEDIAの前に出てた。MOTCHANの顔だけ見てすぐ出発するつもりだったのに、MOTCHANはPLAY中でD.J.MIKIがかわりに出てきて店の前で話する。ツーリングの格好で店の中に入って行くのはなんかなぁと思いながら、あんまり遅くなるのもなぁと思って店に入ってカウンターでMIKIとまたしゃべる。「わたしきょうはむちゃくちゃ緊張してるんです」って、あ、あのなぁ緊張する相手やないやろ(笑) やっとのことでMOTCHANのPLAYが終わってMIKIと交替。MOTCHANといろいろしゃべる。人のこと、あんまりおだてるなよなぁ、タダのフーテンのおっさんやんか。北海道ツーリング行ったときの話していて「走り続ければ必ず着く」というと「わぁ、それはいいですねぇ、覚えておきます」って。うううう、そんなたいしたことやないって(^^;; せやけど「走り続ければ必ず着く」のは確か。
もう3時をまわった。連日ほんまアホとちゃうやろか。今晩はどないしよ、どこか健康ランドにしけこもか。MOTCHANと別れの熱い抱擁を交わし、ウソじゃぁぁぁ、ブラック流握手して別れた。真夜中の3号線に出て、健康ランドを捜しながら走る。どうもなぁ3号線はほとんどバイパス化されてしもてて健康ランドが全然ない。あれよあれよという間に北九州。う〜ん、どないするか、ええい、ままよ、行ってまえというわけで、トンネルくぐってあっけなく本州に戻ってしまった。しゃあないなぁ。あてなく走り続けていると空が白みはじめた。あれはどこなんやろ、下関から小1時間ほど走ってやっと道路脇に小さい公園を見つけ野宿。ふぅ〜〜っ(^^;;

まごまご日記 ■ 97/05/05 ■ 山口県の道ばた〜岩国〜広島〜尾道〜玉島〜大阪

すっぽりシュラフに入って寝てたので暑くて目が覚めた。すでに10時半。ゆっくりコーヒーをわかし、天気がいいので夜見ヶ浜でついた砂を払い落とそうとテントを干す。走り始めたのは12時近くになってから、いつだってこうだ。どないかならんかね。徳山から2号線と別れ、Rに入って、1時間ほど走って光の海岸に出る。ファミマで壮健美茶のボトルを買うて浜の松林でごろ寝休憩。さすがにまだ5月、風が気持ちいい。帰り着く必要がなかったら、そのままずっとごろ寝でもしてたい気分。
瀬戸内沿いに走って、本日のお目当て、岩国米軍基地の外の軍モノなんか売ってる店へ行くつもりが、年に1度の基地のお祭りとかなんかで、あのRはびっしりの人出。ジャケットを着たまま歩いていたら暑くて暑くてたまらん。5年ほど前に行ったことのある店で靴やらTシャツやら買い込む。インド人のおっさんが「半額、半額の半額、1万円のが3800円!」とかでたらめに喚いてる。安いことは安いから、でたらめも許せる。買い込んだのをリアに積んだら荷物が山のようになった。再び2号線に戻るとひどい渋滞。どこまで続くのかあてもなくすり抜け、ぶっこ抜きを繰り返す。広島県に入ったところでやっと流れるようになった。ところで今回のツーリングは全県走破の穴埋めもあったんよな。これまですぐ東向いて走り出していたので何故か西側が抜けてた。今回で順に島根、山口、福岡、佐賀、長崎と走って、残るのはあと、千葉、鹿児島そして沖縄だけになった。
広島到着。本日のメインイベント=広島のお好み焼きを食すべく、おばはんのいるお好み焼き屋を捜す。市内の真ん中ではそれは望むべくもない、そらそうやんなぁ、ボクかてミナミで「お好み焼きおいしいとこどこ?」と聞かれたら困るわ。B級食品はやはり街の真ん中ではなくて町にこそあるもの。広島で聞いたらまずまちがいなくお好み村と言われるけど、それでは満足できないのだ、そうして走り回ること30分近く、ちょっと疲れはてたときにやっと目の前に目指すお好み焼き屋が現れた。それは宇品の停留所から住宅街の中に入ったところにこっそりあった。店に入ると誰もいない。しかし、一枚大きな鉄板があり、あの広島お好み焼き独特の丸いコテが3枚もあった。これぞ広島お好み焼きの神髄と思われる店構えであった。少しするとおにぎり顔のおっちゃんが奥からぬぅっと現れて、きょとんとボクを見る、ボクは思わず「お好み焼き」と言うてんけど、おっちゃんは喉を手術したのか声が出ない、なんか言ってるのだがなかなか空気だけひゅうひゅう聞こえるだけで困った。「Wで肉とイカと、それにイカ天入れて」と一番ボリュームのありそうなのを注文する。おっちゃんは「・・・・」と何か言いながら、店のテレビの電源を入れた。テレビでは折しも阪神-広島戦。ふっと目はテレビの横にずらっと並んだカープの選手のサイン入り色紙が。うううう、ここは広島バリバリの店やんか、ま、まずいさすがディープ広島お好み焼きを求めてさまよってきてこんなにまでディープな店に迷い込んでしまうとは(^^;; おっちゃんは鉄板に粉をうすく広げてお好み焼きを焼き始めた。「どこから来た?」とか聞いてるような、よくわからないまま、「大阪やからね、やっぱりタイガースやしぃ」とボクは答える。大阪まるだし阪神まるだしのボクは生きてかえれそうにないぞ、とちょっとおべっか使ってでもと思うのだが、おっちゃんとはなかなか会話にならない。ここで運がよかったというべきか、広島が10-6でリードしている、もし反対だったら、冷たい視線を浴びてこそこそとお好み焼きを食べてさっさと退散せなあかんところであった。ボクは少し気をとりなおしてポケットからデジカメを取り出し、おっちゃんの焼くお好みを写した。店の奥からおばちゃんが出てくる。このおばちゃんがとよちゃんなんやろか、何か機嫌がいまいちよくない、人がしゃかりきになってカープ応援してる最中に来やがってという雰囲気である。ちょっとおべっかでも使ってとおばちゃんにしゃべりかけたが、おばちゃんはじっとテレビを見たまま全く相手してくれない。正田のだめ押しのホームランで12-6になった。さすがのおばちゃんもこれでカープの確信したのか、やっとニコッとした、それからおばちゃんは急に愛想がよくなって「大阪から来たのか」「江藤はうちの店にも来てくれたんだよ、ほれ」と店の壁に貼った江藤の写真を指さした。あ、やっぱりなんや、誰やろと思うてたら、江藤なんや。「カープ去年優勝しとかな」ここでボクとおばちゃんはアンチジャイアンツの一点で完全に一致した。おっちゃんが何か言うてる、おばちゃんが「え、なに? カメラ?」おっちゃんがボクがお好み食べるの写してやると言うてるらしい。おっちゃんにデジカメを手渡したが、リコーのDL2はファインダーの覗きかたがふつうのカメラと違うもんなぁ。ん?どうすんだぁ、どこ押すんだ? うにゃうにゃうにゃ、ピカっと光ってめでたくお好みにかぶりつく写真ができあがり。
「(どうだ?おいしいか)」
「おぃしい、おぃしい。街の真ん中なんかじゃなぁ」
「(そうだろ、そうだろ.あそこらではおいしくても高いんだぞ)」
「これから大阪まで帰ったら何時頃になるんだ」
「そやなぁ、12時くらいかなぁ」
「気をつけて帰りなよ。また縁があったら来て」とおばちゃんは表まで見送ってくれた。
「今度来るときは赤ヘルかぶってこんなあかんなぁ」
「そだよぉ、タテジマなんかかぶってきたら」
「わ、そんなこと言いながらタテジマのエプロン着てるやんか」
やっぱりディープ広島を求めてさまよって正解だった。

普通はこれでおしまいやけど、まだある。お好み焼きで腹いっぱいになって2号線を大阪に向けて走り出した。退屈。眠たい。1時間近く走った三原では居眠り運転寸前。これはいかんと一息入れて尾道へ。尾道という町は大林のイメージもあるんだろうけど、JRの線路脇からすぐ階段が始まってみたり、尾道水道にあかりが光ってみたりして、やっぱりどこかほろ苦さ、置き忘れてきた何かがありそうな雰囲気が残ってる。もうすっかり暮れてしまってて、そういえば今回のツーリングは一度も夕陽がなかったなぁ、商店街にバイクを止めて、5年ほど前あ〜ちゃんと2人で四国へ行った帰りに寄ったお好み焼き屋を捜す。商店街をはずれのほうに歩いて路地を少し入ったところにそのお好み焼きはあった。のれんのすき間から中を覗いてみる。すると5年前と同じようにおばちゃんが一人いるのが見えて、ここらあたり多分に尾道の空気がそうさせてるんだろうけど、おなかがいっぱいなのに懐かしくて思わずのれんをくぐっていた。
そこでまたお好み焼きを食べる。どっちかというと、尾道のは一銭洋食に近いかな。焼いてもらいながら、5年前にも来たことあるねんで、と話し始めた。おばちゃんは5年前のことなど覚えてなかったけど、ボクはおばちゃんの顔はしっかり覚えていた。あのとき広島の街のど真ん中でお好み焼きを食べて、こんなもんやないやろと尾道まで走ってこの店を探し当てたのだった。あーちゃんはそのときのことをよく覚えていて広島のはおいしなかったけど尾道のおばちゃんの焼くお好みは餅も入ってておいしかったわ。いまそのおばちゃんとこに一人で来てるの聞いたら悔しがるやろなぁとあーちゃんに電話してやった。「買うてきてぇや」 せやなぁみやげらしいものはなんも買うてへんし買うてかえったろ。
いよいよこんでおしまい、あとはだらだらと2号線走って、一瞬横から飛び出した4輪にぶつかりそうになってひやっとしたくらいかなぁ。玉島インターから山陽道に入って、姫路バイパスから阪神高速、明石で休憩したとき、ボクよりちょっと若いかな大阪ナンバーのZepherと会った。まだサラっぴんで、免許も10年くらい前からどうしようかなぁと思案し続けてやっと取ったばかりで今回がはじめてのツーリングだと。思わず「あぶないぞぉ、歳とってから2輪に乗り出すとはまってまうぞぉ」 家に着いたらまたしても夜中の1時だった。