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まごれびゅ

 
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 小沼勝『女はバス停で服を着替えた』 (2002 日) ★★


これ、鹿追町の町おこし映画なんですかねぇ。鹿追町ってどこ?って人はここ。鹿追は何度か行った(通った)ことあるけどね、なんでまた、鹿追とサルサがつながんのという違和感がつきまとう。
監督の小沼勝は日活ロマンポルノ、かの谷ナオミの『花と蛇』を撮ったのが監督で、ロマンポルノのSM路線の第一人者といってしまいましょう。その小沼監督というから期待したんだけど、戸田菜穂のビーチクすら映ってないのだよ。遠藤憲一とのからみはあるにはあるけれど、しっかりシーツで隠してね。見えたから、どうだってことはないのだけど、小沼監督をしてあの程度の濡れ場で終わらせてしまったのはいったい何なんだ?って深読みしてしまう。やぱり鹿追映画製作委員会というのが邪魔してんのじゃないのか。
どこにピントがあってんだか、たぶん、故郷に戻って静かに生きようとする男(遠藤憲一)と、それは逃避だと詰め寄る女(戸田菜穂)の物語としてあるはずなのに、その故郷なんてのはどこでもよかったはずじゃないのか。たまたま鹿追であったはずなのに、鹿追というタームが男と女の関係を阻害する。が、男と女の関係というのも、サルサダンスのペアだった、そこには隠された過去があったというものの、サルサと鹿追が相容れない。男と女の関係を本線とするなら、神田日勝の絵をもちこむことでますます阻害してしまう。
最高の山場となるはずのサルサの踊りそのものがこっ恥ずかしくて、サルサを官能の象徴化することでドツボにはまり、踊りの終わった後のパーティー会場のけったいな盛り上がりでどっちらけ。蛇足だけど、なんでひょっとこがサルサなんだろうと思ってたら、鹿追にひょっとこなんとか会ってのがあって、鹿追でやるからにはちょいと踊らせてくれてもいいっしょって。
なんだかんだで、町おこし映画なんですかって思えてしまうのだよ。鹿追という特定の町ではなくてどこかのとある北海道の町にすること、そしてサルサの踊りの部分で吹き替えでもしてればもっといい映画になったはずなのに。

《鹿追町は、単にロケの許可や撮影隊のサポートをするだけでなく、主体的な映画作りに取り組み、北海道経済・文化を活性化することを試みました。町を舞台に町民自らエキストラなどで参加して、文字通り「町民映画」を作り、草原の町・鹿追の魅力と文化を全国に発信します。》(UHB:http://www.uhb.co.jp/uhb/30th/movie.html)


製作 鹿追映画製作委員会
監督 小沼勝
脚本 長谷川弓子 / 安倍照男 / 村上修
撮影 鈴木耕一
美術 山崎輝 / 岩本一成
編集 矢船陽介
音楽 西岡俊明
出演 戸田菜穂 / 遠藤憲一 / 中村麻美 / 安村和之 / 宮本大誠 / 片桐夕子 / モロ師岡 / 北村和夫

2004年08月03日(火)
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