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■ アラン・ルドルフ『アフターグロウ』 (1997 米) ★★★★
W-W不倫のお話。は?W-W不倫ってなんぞいなもし?って。W不倫ってのは、お互いが結婚してるわけでしょ。それがWってるわけです。つまりジェフリーとマリアンが若い夫婦。一方、ラッキーとフィリスは中年の夫婦。この二組の夫婦の間で、ジェフリーはフィリスと、ラッキーはマリアンとほぼ同時に偶然に不倫しちゃうわけ、スワッピング(これはお互い同意が必要)じゃなくてね。どうだまいったか。 ジェフリー(ジョニー・リー・ミラー)ってのはいかにもいかにもって類のアメリカ世界で成功を手中にしている実業家。だが、「自分はジェフリー・バイロン・3世だが、4世はない」と公言してはばからない。その嫁のマリアン(ララ・フリン・ボイル)はいかにもいかにも実業家嫁で、ありがちに家庭を夢見ている。一方のフィリス(ジュリー・クリスティ)は元売れない女優でかつての栄光に浸って生きている。そしてその夫ラッキー(ニック・ノルティ)は、温厚な家庭的なリフォーム業者。が、温厚で家庭的であるのには、この夫婦の間に隠された過去があったから。 あとはネタばれになるのでやめとくけど、W-W不倫ったってね、日本映画のように湿ってないのだね。だから結構お気楽に見てられる。いきつくところは悩めるアメリカの「家族っていったい何なんだ?」に行きあたってしまうんだけれど、それを言ってしまったら元も子もないか。 ジェフリーとマリアンの家がかっこいいのな。オレンジがかった単色の壁がいいなぁ。子ども部屋となる予定の部屋の壁にも壁掛けタイプのオーディオセットがあって、これ、10年ほど前に日本橋で見たことある。超かっこいいの。だけど、その壁をぶち抜いて夫婦の部屋とつなげると、壁を壊したときの薄っぺらさ加減はとても象徴的だった。それに、なんでもかんでも、照明からオーディオからインターフォンまで一台のリモコンで済んでしまうのには笑わせてくれる。この1台のリモコンで夫婦が異なる趣味の音楽をかけるところなんかも象徴的だ。 フィリスのジュリー・クリスティってのは、すっかり忘れてたけど、かつて『シャンプー』のアレじゃんか。『アフターグロウ』当時ではもう50半ば過ぎてはいるのに、艶っぽいの。マザコン男ジェフリーでなくてもついふらっと来てしまいそう。この『アフターグロウ』でアカデミー主演女優賞ですか。うん、これは納得。 マリアンのララ・フリン・ボイルは、マイタイプなんだよねぇ。つい自分をラッキーに置き換えてしまってるボク。一緒にバスタブで溺れたいぞ。 ちょっと眠たくもなるけれど、そこそこにおもしろかった。ラストではようやっとマリアンとジェフリーもセックスしちゃうみたい(そのシーンはなしな・・笑)だけど、そのあとに「人間誰だって間違いはあるって何なんしょね(苦笑)
Afterglow 製作 ロバート・アルトマン 監督/脚本 アラン・ルドルフ 撮影 栗田豊通 音楽 マーク・アイシャム 出演 ジュリー・クリスティ / ニック・ノルティ / ジョニー・リー・ミラー / ララ・フリン・ボイル / ジェイ・アンダーウッド / ドミニ・ブリス / イベス・コルベル
2004年07月27日(火)
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