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■ クロード・ソーテ『愛を弾く女』(1992 仏) ★★★★☆
これぞフランス恋愛映画ってところ。お子ちゃまにはお呼びでない。 売りはやっぱりエマニュエル・ベアールなんだろうけれど、どっこい、これはダニエル・オートゥイユの映画だな。邦題の『愛を弾く女』と来たらベアールだろうけど、原題の『Un Coeur Hiver』(英語では『A Heart in Winter』)を直訳すれば「凍った心」その心というのはオートゥイユだね。 もちろんヴァイオリニスト=カミーユ(ベアール)の演奏シーンをばしばし見せ付けてくれて、エマニュエル・ベアールいっぱい見れてうれしいんだけど、いかんせんヴァイオリンなんて楽器はとんとわからない。もちろん、ゴーストが弾いてるんでしょうけれど。 マクシム(アンドレ・デュソリエ)の経営するヴァイオリン工房の職人ステファン ?親友でもありパートナーでもある? がダニエル・オートゥイユ。そのマクシムの恋人がカミーユ。カミーユとステファンが恋に陥る、と、ありがちですねぇ。そして二人はイン・ベッド・・・・なわけがなくて、こっからが、奥さん、もうフランス映画なんすよ。マクシムへの友情のために、カミーユのプロポーズを拒否するとか、自分の想いを否定しようとするなんてなると、またメロドラマになってしまうんだけれど、なんていうんですかねぇ、恋愛感情というのをフリーズさせてしまっている。そのリザーブとして(言い過ぎか)、フランソワって本屋の姉ちゃんが一番のガールフレンド。このストイックさが渋すぎ。ちょっとたまりませんねぇ。あ〜、メロドラマなボクにはとても真似ができない。そのフリーズさせた心がほんの少し融けてしまったときに「キミが話す姿を見ていたい」なんて、う〜こういう台詞を口にしてみたいぞ。 あー、でもね、エマニュエル・ベアールもね、マクシムの恋人とはいえ、女オンナしてるわけでなくて、そこはそれ音楽家ですよ。が、ほんのその一瞬で「一歩踏み出すと止まらない」女になってしまう。その一瞬のちょっとしたズレってのか、そこんところがまた、くぅ〜〜〜っ、せ、切ないねぇ。フランス映画だよ、ったく。 で、ラヴェルなんですってね、クラシックもわからない^_^; が、あのシーン(ってどのシーンや-_-;)でピチカートのパートだったり、音楽に語らせてしまう。あんまりこの系の音楽でしゃべるとボレロが、あ、いや、ボロが出てしまうからやめときますが、あ、でもステファンがちょっとヴァイオリンを直していいかといじったら、急に音が澄むようになったなんてのはボクでもわかります。 そして三人三様の視線がしゃべるの、オトナだよねぇ。もうラストのベアールの視線でボクだったらクルマ追いかけて走り出してしまう。
Un Coeur Hiver 監督 クロード・ソーテ 脚本 クロード・ソーテ / ジャック・フィエスキ 撮影 イヴ・アンジェロ 音楽 フィリップ・サルド / ラヴェル 衣装 コリンヌ・ジョリー / クリスチャン・ディオール 出演 エマニュエル・ベアール / ダニエル・オートゥイユ / アンドレ・デュソリエ / ブリジット・カティヨン
2004年07月21日(水)
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