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■ ジャン・ピエール・ジュネ / マルク・キャロ『デリカテッセン』 (91 仏) ★★
おもろいんだか、つまらんのだか、ようわからん。たぶん、ボク的にはつまらん。以前に見たときにはもう少し楽しめたんだけれど、全体的に仰々しくて、こけ脅しにしか思えないんだよなぁ。 まず音ですね。うるさいワ。非常に凝ってるってのはわかるんだけど、とにかくうるさいワ。ぽわぁ〜〜んぽわ〜〜ん、どがじゃがっっがんっがんっ、ぎょぇ〜〜っっ!この繰り返し。ああいい音録りしてるなぁって思えたのは初めのうちだけで飽きてくる。映像もしかりで、凝ってますよ、凝ってますよって調子で見せつけられるんだから、いい加減うんざりしてくる。 『アメリ』のれびゅを再掲しておくと、 《クリスマスのブーツを思いだすよ。開けてみるまではすごく楽しくて夢いっぱいなのに、売れ残りのお菓子ばっかりぎゅうぎゅうに詰め込んであるだけで、それでも子供心にはうれしくて仕方がない。だけどいざ口にしてみると不味くてすぐに吐きだしてしまう。そして空になったはりぼてのブーツはそこらにころがってゴミになってしまう。そんな淋しさを感じてしまったよ。》 このジュネって監督は終始こうなんかね。この『デリカテッセン』もそうなんよ。ひとつひとつはおもしろいんだけど、いかせんこの『デリカ』は重いワ。すかっと抜けてくれないとねぇ。 例えばベッドのきしみ。ベッドのきしみがリズムが周囲に同調するってのもね、おもしろいんだけど、結果が見え見えなのに、引っ張りすぎ。それから同じベッドのきしみネタ、ドミニク・ピノンが修理にいくくだりなんか特にそう。作るってのはいいけど引っ張りすぎなんだよ。その作りすぎってことでいうと、ドミニク・ピノンの顔も作りすぎていて好きになれない。オロールの自殺装置もそう。コーエン兄弟なんかでもそうなんだけど、作りすぎというのが鼻についてしかたない。 その割には話は見えにくいしね。あ、単純明快だね。陳腐なストーリーを底にしたドッタバタか。 『未来世紀ブラジル』フランス版ってところかもしれんけど、比べモノにならんワ。
Delicatessen 製作 クローディ・オサール 監督・脚本 ジャン・ピエール・ジュネ / マルク・キャロ 撮影 ダリウス・コンディ 音楽 カルロス・ダレッシオ 出演 ドミニク・ピノン / マリー・ロール・ドゥニャ / ジャン・クロード・ドレフュス / カリン・ビヤール / ティッキー・オルガド
2004年05月20日(木)
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