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■ デヴィッド・リンチ『ロスト・ハイウェイ』(1997 米) ★★★☆
デヴィッド・リンチの最高傑作? ボクはそうは思わへんよ。 リンチが狙ってるところってのはわからんでもないけれど、ちょいとサスペンスに流されすぎてやないか。 フレッド(ビル・プルマン)とピート(バルサザール・ゲティ)が入れ替わる、なるほどね、でも強引すぎんだよ。見てる側は、ん、なんでなん?と非常に訝しく感じてしまうのだけど、リンチというフィルターを通すと意外と単純。自己喪失なんでしょ。この強引さが何ともね、力技すぎるのよ。わかっていてもあの入れ替わり方というのはどうも納得しづらい。 それでこの二人を繋ぐのが、妻レネエとギャングの愛人アリスで、これはパトリシア・アークエットの一人二役。パトリシア・アークエットだからなのか、ハダカを使いすぎなのも?が3つほどつくんだよ。淫靡じゃないのね。たとえハダカがそうはっきりくっきり出てこなくても十分にエロくさいのがリンチだったのに、をらをらをらとハダカを見せられてもねぇー。欲情しませんですよ。それにごくありきたりなセックスで、変態はいってませんですもの。 ごくありきたりといえば、はじめに書いたようにサスペンスに流されるっていうか、ギャングの親分ディック・ロラント(ロバート・ロジア)なんてごくありきたりの親分でしょ。同じならアリスと親分が異常性愛にはまってるとかね、こういうところでも人間の潜在的な異常性が欲しいわけ。だいたいピートとアリスとこの親分とのからみが冗長すぎるんだよ。親分の情婦アリスとピートが入れ込んで、アリスとピートで親分を殺っちゃおうなんてね、べつにリンチでなくったっていいんですよ。そこにとってつけたようにおっさん(ロバート・ブレイク)が現れて、これもフレッドとピートを繋ぐキーになってはいるんだけど。このとってつけた感はリンチってことで許される。まぁもっともリンチっぽい人物ではありますが、こんなんがオンパレードしてくれなきゃ(w リンチってことでけっこう辛い目になってしまったな。
LOST HIGHWAY 監督 デヴィッド・リンチ 製作 ディーパク・ギルフォード / トム・スターンバーグ / メアリー・スウィーニー 脚本 デヴィッド・リンチ / バリー・ギフォード 撮影 / ピーター・デミング 音楽 アンジェロ・バダラメンティ 出演 ビル・プルマン / パトリシア・アークエット / バルサザール・ゲティ / ロバート・ブレイク / ロバート・ロジア / ゲイリー・ビューシイ / リチャード・プライアー / ジャック・ナンス / ジョヴァンニ・リビシ
2004年03月24日(水)
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