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 ▼ 林海象『海ほうずき』 (1996 日,台湾)


 マイク浜→林海象と流れてきたら辛いだろうな。わっけわかりましぇーん(-.-;) なんやねんこのおっさん、けったいよのぉ。ええ歳こいて帽子かぶったまま海に飛び込んだり。。。。
 ほんと唐十郎、水に飛び込んだり、泥に顔面からつっこんだり、好きネ。ずっとずっと昔の何かの評論で読んだのだが、唐の繰り出すタームには水をイメージさせるものが多い。この中でもどういうわけだか、背広(スーツじゃなくて)を着たままでバスタブに沈むとか、かつて唐は小さいころにパンツをはいたまま風呂に入る快感を覚えてしまったのでなかろか。これ、確かに快感よ。
 さて本題。かなり原作に近くて、というより原作そのままじゃなかろか。頭の唐の朗読「色まぶしい布地を歩道にまで積み上げた問屋街を抜けると、根岸という名の町があり、…」からして、そのまま。ボクは唐が朗読するの好きでね、なんか最初からわくわく。唐は小説家である以前に戯作者だから、唐の小説はいつでもそのまま絵として成立する。ただ縦横無尽な迷路の構造をしているので、ときとして観る側がその迷路の中に置き去りにされてしまう。その置き去りにされることをマゾヒスティックに快感とするか、ちゃんと出口まで案内して貰わないと困るのか、そこのところでこの『海ほうずき』も楽しめるか、どうかにかかってしまうんじゃないか。だから決してこれはお薦めできません(笑)
 それでボクの興味というか、原作・脚本・主演と言うてみたら飛車も角も取り上げられたところで、林海象はどう監督するかということのほうがおもしろかった。結論から言うと、よくここまでで抑えられたなという気がする。なんで唐自身が監督までやってしまわないのだと思いもするわけだが、これで唐自身が監督までやってしまっていたら、ドロドロの世界にはまってしまって、むしろつまらないんじゃないか。アオミドロが接合して異種のDNAを取り込むように、どこかあかぬけした、逆にはもの足りなさを感じてしまうのも事実なのだけれど、時は90年代なのだから。考えてみれば『アジアンビート』の林海象なのだ。ということは、「海峡巡り」の唐十郎とは、がっちり汎アジアタッグなのだった。だからこの猥雑感というのはこのタッグだからなせたんじゃないか。
 リャン・リーが出てたというんだけど、どこで出てた? 原田芳雄と一緒に歌うてたキャバレーの女か? わかりません。それよか、まりこ役のタン・ナね。唐と真っ向はりあってんだけど、この後どうなったんだろ。決して美人ではないんだけれど。
 ただちょっと全体に冗長すぎるきらいがないとは言えないなぁ。すきっともってけよと思うところあり。だいたいこの頃の唐組の芝居も冗長だったもんなぁ。それは唐の脚本のせいということにしときましょう。
 ところで台湾の床屋のかみさん、ん?これ誰なんだぁと思ってたの。それで終わってテロップ流れてるのパッと見て、ほぇ〜鰐淵晴子ぉ??? すると、この一件の依頼者、まりこの母=名月が鰐淵晴子だったから、なんという化けようなんだと、よく見たら馬渕晴子なんネ。紛らわしいキャスティングするなよなぁ(^_^ゞ 



監督 林海象
脚本・原作 唐十郎
撮影 長田勇市
美術 木村威夫 / 伊藤ゲン
音楽 めいなCo.
出演 唐十郎 / タン・ナ / 原田芳雄 / ニ・シュジュン / 鰐淵晴子 / 馬渕晴子 / 佐野史郎
★★★★★



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2003年01月06日(月)
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