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 ▼ マーティン・スコセッシ『ラスト・ワルツ』 (1978 米)


 単にライブ映像と片づけるに片づけられないね。これにかぎってこの映画がどうとか、カメラがどうとか抜きね。それくらいこのThe Last Waltzには思い入れがあったから。

 当時、なんで《『ラスト・ワルツ』=ロックの終焉》なんだよぉと思ってしまったけれど、結局、これ以降、ボク的にロックは聞かなくなってった。そういうのは時間が経ってやっとわかった、ここに答えは示されてたなと思える。いみじくも、イーグルスが「ホテル・カリフォルニア」の中で、「その酒(spirits)は1969年以降おいてません」と歌ったように70年代になってロックは終わってしまってた、と言ってもいいかもしれない。そのアンチテーゼとして、1977年にSex Pistolsの「Never Mind 〜」が出てきたのは当然のこと。そのことはおいといて。。。。
 まさに壮大な幕引き。ラストで "I Shall Be Released" を合唱するシーンはいまだに胸がつまる。その当時、ディラン・フリークだったから、その前の "Forever Young" "Baby Let Me Follow You Down" なんて続くのはもうやるせないというか、ぐっと来てしまうんよね。それで "I Shall Be Released" だから。
 全然、自分ごとになるのだけれど、いまだによく覚えているのは、1979年から1980年になろうとする大みそかの夜に、ディランの武道館ライブをかけていた。そのまさに年がというより、70年代から80年代に変わろうというときに、かかっていたのが、まさに「The Times They Are A-Changin' (時代は変わる)" ちょっとできすぎた話だけれど、ほんとにそれで時代は変わってしまった。
 ロビー・ロバートソンが言う、「16年も続けてやってきた。20年も続けるなんて考えられない」と。う〜ん、考えてみれば、最初からThe Bandにべったりというわけでないけれど、10何年もの間とにかくロックだったんだ。

 もう今さら「The Last Waltz」に意味を見つけようとは思わない。それはそれでいい。あえて答えをさがそうとするなら、「The Last Waltz」が終わったあとスタジオで「さてどうする?」「やっぱりこうしてる」というシーンなんだね。
 それでね、やっぱりニール・ヤングなんだよね、と今でも思う。最初にこの『ラスト・ワルツ』を見たときに、一人、70年をひきずって現れたニールに、をいをい(-。-;)だったんだけれど、それはそれでひとつの答え。あそこにニールがいなかったらほんとに悲しいよ。

 The Bandのメンバーそれぞれに、このThe Last Waltz以降、いやこのThe Last Waltzそのものだって、さまざまな確執があったという。それだってどうしようもない。というより、あらためてこうして『ラスト・ワルツ』を見てみると、ことばをさしはさめるわけないやね。ただ
 リチャード・マニュエル、リック・ダンコの冥福を祈るばかり。。。

The Last Waltz
製作 ボリス・レービン
監督 マーティン・スコセッシ
撮影 マイケル・チャップマン / ビルモス・ジグモンド / ラズロ・コバックス
出演 ザ・バンド / ボブ・ディラン / ニール・ヤング / ジョニ・ミッチェル / エリック・クラプトン / マディー・ウォーター
★★★★★



2002年07月06日(土)
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