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 ▼ ルイス・ブニュエル『自由の幻想』 (1974/仏)

 なに、これ? いったいどこがおもろいのん? 変態でしょうううううーーーったく(-。-;)
ってね。はいはい、何とでも言うてください。吐糞病って、な、何なんですか。
 うーんとですね、この映画を説明しろったって、はて、困った。モチーフはゴヤの"The Shootings of May Third"ですね、「自由なんかくたばれぇ〜っ!」の叫びでサンドイッチされたブニュエル世界・・・・・・をーなんと抽象的説明。これぞ、映画評論家への道(゚_。)ドテッ!  余談ですが、この「自由なんかくたばれぇ〜っ!」と叫んでるのがブニュエル自身だというんだけど、ようわからんって。
 もうちょっとまともに説明しておくと、このゴヤの銃殺がまず映像化されてるのね、この冒頭のシーン、大掛かりなシーンで、いかにもブニュエルらしくて好きだぁ。このこけ脅し的キワモノ性がたまらんです。ね、『昼顔』のラストでしゃんしゃんしゃんと馬車が駆けていくなんてのも、そうね。
 それで、ふつうならそのまま、侵略、そして自由とは?なんて、ぐぐっとはまりこんでいくところが、それは公園のベンチでメイドが読んでいた本の1ページで話はぶっ飛んでしまう。そこから10あまりのオムニバスとでも言えそうな短い話が、尻取りのように繋がっていくという仕組み。
 ブラックギャグありーの、ノンセンスありーの、真剣に身構えて見ようとする観客を弄ぶごとくに肩透かしの連続。ところがしっかりブニュエル・フリークの気持ちをくすぐってくれる仕掛けがいっぱい。たとえば、上に書いた「吐糞病」なんて、誰がそんなくだらんことを、あ、吐くわけだから下るんじゃなくて上げるか(^_^ゞ うんこを口から吐くなんて、もう「うんこちんちん」レベルのアホくささ。かと思えば、すっぽんぽんでブラームスの狂詩曲を弾かせておいて、しっかりピアノの下に潜り込んでしまうんだもんね、ブニュエルの脚フェチ面目躍如ってところ。ね、ね、こう書いたら見たくなるっしょ。絶対見たくなるんだって。
 夜中の1時にぎぃーっとドアを開けて入ってきたのがコケコッコだったりして、夜中の2時にベッドの横で寝てたのがモウモウだったら、もうひっくり返って笑うてんだけど、さすがにモウモウちゃんは寝てなかった。かわりにダチョーが「自由なんかくたばれぇ〜っ!」と叫んでくれます、きょとんとした顔で。
 とにかく見てるほうに気をもたせる天才ね。そして《うんこちんちん》レベルで、ひ〜〜っ、もっとお尻をぶっ叩いて下さい、ぶって、ぶって・・・・変態(^◇^;)

La Fantome De La Liberte
監督 ルイス・ブニュエル
脚本 ルイス・ブニュエル / ジャン・クロード・カリエール
撮影 エドモン・リシャール
出演 ジャン・クロード・ブリアリ / モニカ・ビッティ / ミシェル・ピコリ
★★★★☆



2002年07月01日(月)
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