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 ▼ 濱田樹石『世界の終わりという名の雑貨店』(2001 日)



 嶽本野ばらの原作....で、最近こうしてちょっと流行ったりすると、すぐに映画化してしまう傾向があるけど、どうなんだろ。あんまり期待はしてなかった。ただ原作はすごく好きだったからどうなるか興味はあったけど、予想通り期待するほどのこともなかった、というのが正直なところ。
 だいたいこれ見ようかという人の3人に1人は原作読んでるでしょ。原作読んで、自分なりにイメージを紡ぎだしてるわけ。確かに、映画を作る側だって、あるイメージをもとに映画を作ってるはずで、それを見せて何が悪いと開き直られればそれまでなんだけれど、じゃそれならそれで原作からもっと逸脱すればいいものをと思ってしまうね。
 一般的に小説を読む楽しみは自分なりに映像を作りだすこと。自分で思い描いて読み進んでいくわけ。で、その自分が思い描いた映像と、こうして提示された映像とに、差があったからといって、つまらんとは言えないでしょ。いや、むしろ違って当たり前。ボクが思うのはこうして映像を提示するということは、ひとつの具体的な形を見せているんだから、それ以上に語りすぎないでほしかったということ。
 はっきり言うてしまうと、胡摩(高橋マリ子)の高校生としての生活を語りすぎなんだよ。それもかなり矮小化されてしまってないか。友達が描いた絵をぐしゃぐしゃと塗りつぶす、なんてのは原作にあったかい? 原作にあったかどうだか、読んだのは1年前で忘れてしまっているけれど、あったとしても、その点に力点はおかれてなかったと思う。そうんらもっとはっきり覚えていていいはずだ。ボクが原作から描いた胡摩は、自己主張はしても第三者になんらかの形を残すような行動はとらなかった。そうして、雑貨店店主の島尾雄高(西島秀俊)も胡摩のアンドロギュヌスとして存在した。
 最初にぐっとアップでとらえられた胡摩=高橋マリ子の顔には納得した。をーそうそうこんな感じってね。そこからカメラが引かれて、高校生の制服を着た胡摩の全身が写されると強烈な違和感におそわれた。制服のスカートの丈が短すぎる! そうしてこまの友達の少女たちが現れるにいたって、ボクにはAVのブルセラでもおっぱじめるようにしか見えなかった。あの制服、だれ一人としてはまっとらんよ。これね、原作は初めからおしまいまで白日夢といってもいいもんでしょ。がびぃーんと、少女たちが現れるたびに現実に引き戻された。そうして「こんにちはぁ〜」では吐き気がした。もっと言うとくと、学校というのを見せるにはエキストラの数が少なすぎ。ああ製作費の問題なんだよなぁっていらんこと考えてしまったって。それから、胡摩の母親(真行寺君枝)がなんで編み物などしてるの? 母親=編み物なんて、♪かあさんがよなべをして〜 あまりに皮相的すぎる。
 きゃははは、れびゅ書いてるうちにどんどん☆の数が減ってきたって(苦笑)

Finding Forrester
監督 濱田樹石
脚本 濱田樹石 / 鷲見剛一
撮影 大橋仁
出演 西島秀俊 / 高橋マリ子 / 今福将雄 / 松尾スズキ / 名古屋章 / 真行寺君枝 / 加藤夏希



2002年06月12日(水)
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