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 ▼ パトリス・シェロー『愛する者よ、列車に乗れ』 (98 仏)


 かなりややこしい、ずいぶんややこしい(^_^ゞ CinemaScapeのコメントに「この映画はまず、 1回目、映像の流れと音楽を楽しむ。 2回目、人物関係を把握する。 3回目、統合して楽しむ 4回目、好きな人物を追っていく」なんて、誰が4回も見れるんじゃい、そんなヒマあるかい。なんでもフランスのオフィシャルページにはその人脈図があったというのだけれど、いまはもうnot found。そんなものでも見ないと人間関係はまともに把握できんよ。が、それでも、この『愛する者よ、列車に乗れ』には、捨ておけない良さがあるなぁ。ボクは好きだよ。
 ジャン・バティストという画家が亡くなって、その葬儀にパリからブリュージュに向かう親類縁者たち。実は、この『愛する者よ、列車に乗れ』なんて言うタイトルは日本で好きにつけたタイトルでなくて、原題の直訳(だよね)。彼の遺言の中で「愛してるならブリュージュまで列車に乗れ」というのが記されていることによる。こうして集まった親類縁者たちが、まずはこの列車の中、次に葬儀の墓場で、さらにはジャン・バティストの屋敷で、それぞれに愛憎劇を繰り広げるわけ。
 ここで葬式によくある話で、死ぬ前にはさんざん蔭で故人の文句をたらたら言うておったくせに、急に、あんなエエ人亡くして・・・・くぉらぁ〜(-"-) 「あの人がわたしを口説けなかったのは、あのときすでにわたしが人妻だったからなの」なんて・・・ヲイヲイ。そうかと思うと、見も知らないおばちゃんが突然現れて、そこここで、死んだ兄さんの弟が分れた前の嫁の3番目の娘が嫁いだ先の・・・・、そんなもん知るかい(-.-;)というふうによう関係のわからんが、わからんなりに話が進む。
 前半でさんざん見る側を苦しめる種々雑多な人間たちも、関係の薄い人間から次々に消えていき、これは世の東西を問わず同じで、残るのは縁の濃い人間たち。、そんなこんなで、ひとりの人間の死がその周りの人間たちの関係にひとつのふんぎりをつけるというのもよくある話で、この映画はまさにそれにあたるわけで、あくまでも葬儀はひとつの契機に過ぎなくて、そこに集まった生きている人間のドラマを描き出してるいく。
 そのために集めてる俳優たちがいいんだよなぁ。日本なんかにくらべてずっとゲイ先進国のフランスなもんで、シルヴァン・ジャックがゲイの恋人役。列車の中でやり始めるんだもん。が、しかし、一瞬、女だと思ってしまうくらい。いや、ほんとに思ってしまったのだよ(^_^ゞ 下の写真の真ん中ね。なんでもこのシルヴァン・ジャックというのは元モデルらしい。そして何といってもヴァンサン・ペレーズですよ。ニュー・ハーフなんだよねぇ。これもしっかり騙された。話の中で明かされるまで、真性女だと思ってました。この二人、この映画の中に出てくる女優達より格段に艶っぽい。
 真性・男優では、パスカル・グレゴリーやシャルル・ベリングとかね、いかにもフランス映画というテイストで、が、しかし彼らもゲイだったり、バイだったり(^_^ゞ このあたりの男優たちを見てるとおもしろいな。ジャン・レノだけがフランスの男優じゃないって(笑) そして、そして、なんてったって、ジャン・ルイ・トランティニャン。出がかっこ良すぎ。むちゃ、渋っ。束になって男の色気で悩殺してくるというか、ゲイ入った男が見たらたまらんのだろうな。ボクだって30歳も年が若かったらヤバかったかも(^_^ゞ

Ceux Qui M'aiment Prendront Le Train
監督 パトリス・シェロー
脚本 パトリス・シェロー / ダニエル・トンプソン / ピエール・トリビディック
撮影 エリック・ゴーティエ
出演 ジャン・ルイ・トランティニャン / シャルル・ベルリング / バンサン・ペレーズ / パスカル・グレゴリー / シルバン・ジャック / バレリア・ブルーニ・テデスキ / ブリュノ・トデスキーニ
★★★★





2002年05月15日(水)
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