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 ▼ ガイ・マディン『ギムリ・ホスピタル』(88 カナダ)


 このガイ・マディンという監督は「リンチの息子たち」とか呼ばれてるらしいね、全然知らんかったけど。『アーク・エンジェル』
 で、「リンチの息子たち」と呼ばれるからには、かなり怪しい、非常に怪しい。むしろリンチよりもさらに怪しい、危ない。どのラインかというと、『イレイザー・ヘッド』ね。そのラインでよかったよ。どこか『ツイン・ピークス』のにおいなどもしてきて、さらにはブニュエル翁の『アンダルシアの犬』とも。。。『アンダルシア〜』を出してきたら。。。。ね、ソソラレル(笑)
 で、ストーリーはっていうと、わっかりっませぇ〜〜ん!(笑) 見始めた途端にあ、こりゃストーリーなんて追いかけたってダメだと、だいたい『ツイン・ピークス』にしたって、後半からわけわからんじゃない。あのノリなわけ。ごにょごにょ蠢く情念やら幻覚やらを映像化したわけだから、幻夢のおすそわけ。そういうふうに見てないと辛いものがある。
 奇病でギムリ・ホスピタルに入院しているエイナー(カイル・マクローチ)とグンナー(マイケル・ゴッリ)の過去にまつわる因縁。そこにはスニョフリドル(アンジェラ・ヘック)の一人の女が明らかになってくる。と、ざっと把握できるのはその程度。それに奇々怪々なことがからんでくる。
 例えば、奇病たって何なんしょ? おでこや背中に傷の縫い目があったりして、それで何だかわけのわからん汁を噴きだしてみたり、傷口から血を流してみたり、しかも伝染するらしい。それもわけがわからんかってもエエんですけどね。そこらの気色悪さがかいかぁ〜〜んといえば快感。さらにはギムリ・ホスピタルそのものの奇々怪々さ。床に穴があってその下には家畜が飼われていて、家畜の熱が穴を通ってくる、なんてのも常軌を逸しておりますですね。そして鶏の羽状のものが浮遊しておったりして。さらにさらにギムリ・ホスピタルの3人の看護婦。これが丸尾末広に出てくる看護婦さん、何じゃそら? かの赤十字の帽子をかぶってるわけですよ。この3人の看護婦にも何やら因縁めいた話もからんできたりして。。。。
 モノクロです。って、ほんとはモノクロじゃなくて、ほぼ全編にわたって映像処理でモノクロにしてあるわけ。というのは、サイレント映画に仕立ててあるわけ。だからモノクロ。ただね、ヒップホップなんかでもそうなんだけど、アナログ盤からサンプリングいたしましたと、わざとスクラッチ・ノイズをかぶせるの。あれってわざとらしくてイヤなんだよなぁ。それがこの音声でも使われてるの、映像にはノイズをのせてないんだけど、それがどうもなぁ。
 カルトなだけに、一度は見ても損はないか。とびっきりってわけじゃないけど、はまる人ははまる。

Tales From The Gimli Hospital
監督・脚本・撮影 ガイ・マディン
出演 カイル・マクローチ / マイケル・ゴッリ / アンジェラ・ヘック
★★★☆



2002年04月10日(水)
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