|
|
■■■
■■
■ ▼ 黒沢清『カリスマ 』(99 日)
いきなり人のコメントで申し訳ない。CinemaScapeの新人王赤星さんのコメントを引用すると 「皆さん色々な解釈されてますね。僕の解釈はそれらを一まとめにしたものとしとこう(笑)。テーマをセリフで説明するのには白けましたが。だからビビッと来そうで来なかったです。演出は相変わらず上手いですね。」 ボクもまさにそうとしか思えなかったの。理屈をこねすぎるとどうしても交通整理、つまり「テーマをセリフで説明」、をする必要がでてくるのね。そうすると逆にあまりに理路整然としてしまった。だいたい薮池のカリスマの跡に若い芽が芽生えてるなんてまさに「やり過ぎの作り込み」(スタジオボイス97/11)以外のなにものでもなくて、「自慰のよう」(同上エピキュリアンさん)とコメントされたって仕方ないね。 と、ボロクソだけれど、黒沢清の映画はほんとにおもしろい。この『カリスマ』だってじゅうぶんにおもしろいんだよ。ぐいぐい引き込んでいく求心力は、これとて抜群。真っ暗な廃ホテルの中で滑り台を滑る役所広司なんてまさに黒沢清そのものなんだよね。だからこそ、セリフの雄弁さにあまりに愕然とする。言うてみれば、取調室で容疑者が自分のとった行動をなぞるように供述する。するとまたしても、その供述をなぞるような供述を用意しないといけない。辻褄などあわなくたっていいじゃないか。
監督・脚本 黒沢清 撮影 林淳一郎 音楽 ゲイリー芦屋 出演 役所広司 / 風吹ジュン / 池内博之 / 大杉漣 / 洞口依子
★★
2002年02月25日(月)
|
|
|