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 ▼ レミ・デュシュマン『ア・ラ・モード』 (92 仏)


 BS2でやってるのは、どんなんだという情報が少なくてほとんどアテモノっぽかったりする。ただボクが疎くて知らないだけだったりかもしれないけれど。で、そういうのはあたったらうれしいし、はずしたところでたいしたムカツキにもならない。受信料なんてとんと払ったことないし、今後とも払う気など毛頭無いのででかいことは言えないのですが。。。。 でもちゃんとネットで検索にかかってくるというのも、ネットはすごいね。

 自転車で親子で走っている。をっと、やばい、ファミリーもんはいらねぇ。と、思ったら、両親そろってトラクターに激突してあっさりあの世行き。南無ぅ。残された少年は施設に入れられ、そこのボスとそのとりまきから寝込みを襲われてションベンかけのいたぶり。をいをい、女囚サソリぢゃないんだから、やばい展開だよナァ、こういう展開というのは重くひきずってたまらんよなぁ。
 この美形の少年ケン・イジュランの名前がファウストというのもなんか意味ありげなんだけど、メフィストはでてきません。この少年が直談判に行って、部屋を変えてもらうのだけれど、新しい部屋主であるおならの達人レイモン(フランソワ・オトセール)と出会って意気投合するところから、これがフランス映画かというほどのしっちゃかめっちゃか。なんか頭から撮り始めて、いきなり製作方針が変わったんかいなと思ってしまうくらい。この二人の屋根の上のシーンがいいんだよなぁ。
 施設から働きに出た仕立屋に行ってからというもの、デザイナーとして目覚め、一気、一気のサクセス・ストーリー。いわゆるフランス映画っぽい屈折というものが全く無い。理屈もへったくれもありゃしない。サクセス・ストーリーと並行して、トニ(フロランス・ダレル)とのラブ・ストーリーまで展開。しっかりボカシまで入るんだからなっ! このフロランス・ダレルのハダカ、ボクの好みなのであった。
 とにかくテンポがむちゃくちゃにいい。仕立屋のオヤジ、のちにファウストの養父になるのだけれど、そのジャン・ヤンヌのしゃべくりのテンポの良さといったら最高。このしゃべくりと音楽とがばしっとシンクロしてる。そうそう、かのベートーヴェンの「運命」がものの見事にはまってるシーンもみものだな。
 とにかくヘタすりゃ、ケン・イジュランが美形なだけにアイドル映画になってしまうところを、ジャン・ヤンヌやフランソワ・オトセール、その他、肉屋のオヤジやら、ほとんど知らないバイ・プレーヤーでわっしょいわっしょい。なんのヒネリもなく、アホかと思ってしまうところを、ほっと一息ついて観れる超お薦め。
 紛れもないフランス映画、粋なんだよねぇ。

A La Mode
監督 レミ・デュシュマン
脚本 レミ・デュシュマン / リシャール・モルジエーヴ
撮影 イヴ・ラファイユ
音楽 ドニ・バルビエ
主演 ケン・イジュラン / ジャン・ヤンヌ / フロランス・ダレル / フランソワ・オトセール / アルチュール・H
★★★★☆




2002年01月16日(水)
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