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 ▼ 鈴木清順『ピストル・オペラ』 (01 日)


 BANG !!
 鈴木清順と木村威夫、足して、150歳越えるって、これ、怖すぎる! その150歳がこんな映画を創ってしまうということはもう怖いを通り越して、なんとも言い様がない。もう、す・ご・す・ぎ!!!!(!マーク150個)
 足して98歳のおっさん二人が梅田の真ん中で見終わった途端、BANG !!やってんだから、これはちょっとなぁ。。。ストーリー?そんなもの、ちゃんとあります。しっかりくっきりあります。しかしそれでいて、荒唐無稽。とにかくBANG !!なのであります。例えば、加藤治子がいきなり「三島さんが」と切りだして、何、言い出すんかいと思ったら、三島由紀夫の首の話。これ、ほとんど関係ないです。ないことはないけど、関係ないです。早い話が、もう言いたいから言うとけ、言うとけ、言うたもんの勝ちじゃの世界ですね。もう観てるほうはにんまりするしかないでしょ。
 それでおっさん二人の梅田スタバのれびゅですがね、とにかく色がすごいなぁぁと感心することしきり。江角マキ子の着物の黄色ね、それと同じ黄色のスロープがきっちり用意されて、さらにその黄色の照明というふうにこんなふうに黄色がきれいに撮られたのって観たことないです。もち黄色だけじゃなくて、赤なんてのはもうお得意の色だからしてとりたてて言わずもがな、なのであります。
 文句つけるとしたら、中盤あたりでどろーっとテンポが落ちてしまうことくらい。確かに中盤でぐーっと眠気がつっこんできて、これには参った。が、そのテンポ落とすのだってラストに向けてのトリッガーと思えなくもないです。あとジュリーもっと使ってほしいよなぁ、もったいないよなぁ、あれで終わってしまうの。ゑ、って思ったもん。
 ところで、よく思うことなんだけど、メインになる男と女がおるわけね、その男と女の関係を軸に、その二人に話がからんでいくというのは定石のように思えるんだけれど、この『ピストル・オペラ』では、その男が江角なんだよ。江角、そういう意味で非常に男っぽいです。これは絶対言える。じゃ、女はというと、もちろん山口小夜子。この『ピストル・オペラ』というのは山口小夜子を見せるための映画だと言ってもいいんでないか、と、それくらいに山口小夜子はかっこいい。彼女、あんなに大きかったかな。江角もたいがい大きいと思えるんだけれど、身長ナンボだったっけ。その江角が山口小夜子の前で小さく見えてしまうんだから。もうとにかくかっこいい。その二人に絡んでくる韓英恵が淡々としてるくせに、堂々と山口小夜子の向こうを張る妖艶さは、ちょっと恐ろしい。それに使い方も上手いんだわな。ずばっと切り札切られたって感じだもん。
 映画としてみたら、やっぱ『陽炎座』や『ツィゴイネルワイゼン』のほうが上かもしれないけど、上も下もないじゃんね。なんか観てから浮き浮きしてしまう不思議。
 言い出したらきりがなくて、あと、これでもかこれでもかってくらい150歳が繰り出してくる美味しい美味しい浪漫にもうもうおなかいっぱい。苦しひぃー・・・・あとは観てのお楽しみにおいといたろ。胃腸薬もってくように!



★★★★★  



    『ピストル・オペラ』--『陽炎座』 相関関係

  大楠道代─山口小夜子━━━┳━┳━江角マキ子─松田優作
               ┃ ┃
   楠田枝里子─韓英恵━━━┛ ┃
                 ┗━平幹二郎─中村嘉葎雄



2001年11月21日(水)
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